労働保険番号の調べ方とは?確認できる書類と番号の見方を解説


労働保険番号は、労災保険と雇用保険の保険料の申告や各種の届出で使われる、事業場ごとの番号です。書類に記入する段になって番号が分からず、手が止まってしまう場面は少なくありません。番号は年度更新の書類などから確認でき、手元に控えがなければ行政の窓口に問い合わせる流れになります。
この記事では、労働保険番号の調べ方として、14桁の構成、番号が記載されている書類、書類が見つからないときの確認先、建設業の現場労災で使われる元請の番号との違いを解説します。内容は執筆時点の情報です。
2024年問題、人手不足、資金繰り…建設業界が直面する課題は山積みです。こうした環境だからこそ、経営の安定化には新たな収入源の確保が重要。この動画では、民間工事とは異なる公共工事という選択肢の実務的なポイントをおさえています。動画で基礎を理解した上で、記事の詳しい解説をご覧ください。
- 労働保険番号は府県2桁・所掌1桁・管轄2桁・基幹番号6桁・枝番号3桁の構成で、枝番号は特殊な事業に付される
- 年度更新の申告書・納付書にはあらかじめ労働保険番号が印書されているため、手元の控えから確認できる
- 書類が見つからない場合、厚生労働省のサイトでは番号を調べられないため、労働局や労働基準監督署に問い合わせる
- 建設現場の労災保険は元請が加入するため、現場に関する番号と自社の事務所等の番号は区別して確認する
労働保険番号とは?14桁の構成はどうなっているのか
労働保険とは、労災保険と雇用保険の総称です。労働者を一人でも雇用していれば、加入の手続きが必要になります。労働保険番号は、この労働保険の保険料を徴収するうえでの事業の単位を示す番号として付与されます。
桁数は14桁で、次の5つの要素に分かれています。
| 要素 | 桁数 | 内容 |
|---|---|---|
| 府県 | 2桁 | 事業場の所在地などの都道府県を示すコード |
| 所掌 | 1桁 | 番号の付与事務を所掌する機関を示すコード |
| 管轄 | 2桁 | 管轄する労働基準監督署または公共職業安定所を示すコード |
| 基幹番号 | 6桁 | 保険料の徴収上の事業単位を示す固有の番号 |
| 枝番号 | 3桁 | 特殊な事業について基幹番号の次に付される番号 |
労働保険番号の14桁を構成する5つの要素の意味
労働保険番号の先頭から順に読めば、どの都道府県のどの機関が管轄する、どの事業の番号かが分かる仕組みです。府県は事業場の所在地の都道府県を示し、労働保険事務組合に事務処理を委託している事業場では、事務組合の主たる事務所の所在地の都道府県になります。
所掌は、番号の付与事務を労働基準監督署が所掌する事業であれば1、公共職業安定所が所掌する事業であれば3で表されます。管轄は、個別に加入している事業場では事業場の所在地を管轄する監督署または安定所を示す2桁のコードです。
基幹番号は、保険料の徴収上の事業単位を示す固有の番号で、通常は6桁の数字で構成されます。
枝番号が付かない場合の労働保険番号の桁数
枝番号は、特殊な事業について基幹番号の次に3桁の数字で付される番号です。そのため、枝番号を含めれば14桁、府県から基幹番号までであれば11桁という数え方ができます。
書類によって枝番号まで印字されている場合と、途中までの場合が考えられます。桁数が合わないときは、書類の番号欄の表示や提出先の様式で、枝番号まで必要かどうかを確認する必要があります。
雇用保険の事業所番号との違いから見る労働保険番号の見方
労働保険番号は、労災保険と雇用保険を合わせた労働保険の保険料を徴収する単位の番号です。一方で、雇用保険の手続きの書類には、労働保険番号とは別に、事業所番号などの名称の番号が記載されることがあります。
名称が似ているため取り違えやすく、書類の欄に「労働保険番号」と書かれているのか、別の名称の番号を求められているのかを、先に見分けることが大切です。
労働保険番号はどこに書いてあるのか?確認できる書類
労働保険番号は、事業場で保管している労働保険の手続き書類から確認できます。代表的な書類と確認のポイントは次のとおりです。
| 書類 | 番号の確認 | ポイント |
|---|---|---|
| 年度更新の申告書・納付書 | あらかじめ印書されている | 毎年届く書類のため、直近の控えを探す |
| 労働保険関係成立届の控え | 記載されていることがある | 加入時の手続き書類として保管されている場合がある |
| 労働保険事務組合の加入証明書など | 記載されていることがある | 事務組合に事務を委託している場合に確認する |
年度更新の申告書に印書された労働保険番号を確認する方法
最も探しやすいのが、毎年の年度更新で使う申告書と納付書です。厚生労働省は、年度更新の申告書・納付書にはあらかじめ労働保険番号、事業の所在地・名称、保険料率等が印書されているため、印書内容に誤りがないかを確認するよう案内しています。
番号が分からないときは、まず直近の年度更新の申告書・納付書の控えを探すのが近道です。控えの保管場所は、経理や総務の書類ファイルであることが多いため、社内の担当者に確認します。
保険関係成立届の控えなど手続き書類から労働保険番号を探す
労働保険の加入時に提出する保険関係成立届の控えや、労働保険事務組合に事務を委託している場合の加入関係の書類にも、番号が記載されていることがあります。
番号の記載位置は書類の様式によって異なるため、「労働保険番号」の表記がある欄を探します。書類ごとの記載位置を決めつけず、見つかった番号が14桁の構成に合っているかを前項の表で照らし合わせると、取り違えを防ぎやすくなります。
労働保険番号を探す前に社内の保管場所を洗い出す手順
番号を調べ始める前に、次の順で社内の書類を探すと、無駄な確認を減らせます。
- 直近の年度更新の申告書・納付書の控えを探す
- 見つからなければ、加入時の保険関係成立届の控えなど手続き書類のファイルを探す
- 労働保険事務組合に委託している場合は、事務組合から受け取った書類を探す
総務や経理の担当者が交代している場合は、引き継ぎ資料やファイルの目録も手がかりになります。ここまで探しても見つからない場合に、次の問い合わせに進みます。
労働保険番号の書類が見つからないときはどうすればよいのか?
控えが見つからない場合でも、番号を確認する方法はあります。一方で、インターネット上で手軽に調べられるとは限らない点には注意が必要です。
労働保険番号が分からない場合に問い合わせる行政の窓口
厚生労働省は、労働保険番号については同省の適用事業場検索のページでは確認できないとしています。労働保険の保険関係の成立や変更に関する問い合わせは、都道府県労働局や労働基準監督署が窓口になります。
問い合わせの受付時間や本人確認の方法は、機関によって異なる可能性があります。事前に最寄りの窓口の案内を確認したうえで、事業場の名称や所在地など、事業を特定できる情報を手元に用意しておくと話が進みやすくなります。
現場労災で元請の労働保険番号が使われる仕組み
建設業には、ほかの業種にはない特徴があります。数次の請負で行われる建設事業では、元請負事業主が全体の事業の事業主として労働保険の適用を受け、下請の事業は元請の事業に含めて一つの事業として扱われます。
このため、工事現場の労災保険は、下請の労働者も含めて元請が加入します。一方、建設会社の事務所や資材置場などに係る労災保険は、自社に所属する労働者が対象です。
| 区分 | 加入する事業主 | 対象となる労働者 |
|---|---|---|
| 現場労災 | 元請負事業主 | 下請の労働者を含む |
| 事務所等労災 | 自社 | 自社に所属する労働者 |
現場に関する番号と自社の事務所等に関する番号は、別の保険関係に属する場合があるため、書類でどちらの番号を求められているかを先に確認することが大切です。現場に関する番号は元請の保険関係に属するため、必要な場合は元請に確認するのが現実的です。
労働保険番号を確認できたあとに控えを社内に残す運用
番号を確認できたら、次回以降に慌てないよう、社内で一か所にまとめて控えておきます。事務所等に関する番号と、元請から案内された現場に関する番号は、分けて記録しておくと取り違えを防げます。
番号の一覧には、書類の名称と確認した日付も添えておくと、あとから確認し直すときの手間が省けます。
労働保険番号は公共工事のどの書類で必要になるのか?
公共工事に携わると、元請・下請を問わず、保険の加入状況や事業所の情報を書類にまとめる場面が出てきます。番号を求められたときに慌てないよう、代表的な書類での扱いを押さえておきます。
- 施工体制台帳・再下請負通知書:国土交通省の作成例に保険の記載欄がある。様式の項目名と記載要領で、求められている番号の種類を確認する
- 入札参加資格申請:番号が必要かどうかは、発注機関ごとの申請要領で確認する
施工体制台帳の作成例に設けられた保険の記載欄を確認する
施工体制台帳と再下請負通知書は、国土交通省が作成例を公表しています。いずれの作成例にも保険に関する記載欄があります。法令上、記載しなければならない事項が網羅されていれば、作成例以外の様式を使うことも可能とされています。
執筆時点の作成例では、健康保険、厚生年金保険、雇用保険の加入状況と、営業所ごとの事業所整理記号等を記入する欄が設けられています。発注者や元請が独自の様式を用いる場合は記載項目が異なることもあるため、番号の記入を求められたときは、様式の項目名と記載要領で、労働保険番号なのか別の番号なのかを確認します。
入札参加資格申請で労働保険番号が必要かを提出先の要領で確認する
入札参加資格の申請は、発注機関ごとに申請要領が定められており、提出書類や記載事項も機関によって異なります。番号が必要かどうかは、申請先の要領を読んで判断することになります。
労働保険番号の記載が求められている場合は、年度更新の申告書・納付書の控えなど、前述の書類から転記します。番号の確認に手間取ると申請準備全体が遅れるため、申請要領を入手した段階で、先に番号の所在を確認しておくと進めやすくなります。
書類の様式や記載項目は、年度や提出先の見直しによって変わることがあります。過去に提出した控えをそのまま流用せず、そのつど最新の様式や申請要領の項目名を確認してから記入すると、記載漏れや取り違えを防げます。
労働保険番号の確認は、書類の管理を整えるという、公共工事参入に向けた準備の一部です。施工体制台帳や入札参加資格の申請書類は、保険の加入状況や事業所の情報を整理してはじめて作成できるもので、番号の所在を把握しておくことは、その土台になります。
公共工事は、大手や実績のある会社のものと受け止められることがあります。ただし入札参加の要件は制度として定められており、要件を満たせば会社の規模にかかわらず参加できる仕組みです。詳しくは下記をご確認ください。
よくある質問
- 労働者を雇っていない一人親方にも労働保険番号はあるのか?
-
労働保険は、労働者を一人でも雇用している事業が加入の対象です。労働者を雇用していない一人親方は、原則として労働保険の保険関係が成立する事業にあたりません。一人親方の労災保険は、団体を通じた申請と政府の承認による特別加入という任意の制度で、労災保険法第33条第3号・第4号、第35条に定められています。
- 労働局に電話すれば、その場で労働保険番号を教えてもらえるのか?
-
問い合わせの対応方法は機関によって異なる可能性があり、本人確認を求められる場合もあります。教えてもらえるかどうかを断定することはできないため、事前に窓口の案内を確認し、事業場の名称や所在地などを手元に用意して問い合わせるのが現実的です。
- 労働保険番号と労災年金の年金証書番号は同じものか?
-
別の番号です。年金証書番号は、労災年金の受給者に付される番号で、管轄局2桁、種別1桁、西暦年2桁、番号4桁で構成されます。事業場に付される労働保険番号とは構成も用途も異なります。
まとめ
労働保険番号は、府県・所掌・管轄・基幹番号・枝番号の5つの要素からなる14桁の番号です。枝番号は特殊な事業について付されるため、書類によって桁数の表記が異なる場合があります。
番号は、年度更新の申告書・納付書に印書されているため、まず直近の控えを探すのが基本です。見つからない場合は、厚生労働省のサイトでは確認できないため、労働局や労働基準監督署に問い合わせます。建設現場の労災は元請が加入するため、書類で求められる番号が現場のものか自社のものかを、様式や記載要領で確認することが大切です。
- 労働保険番号は府県2桁・所掌1桁・管轄2桁・基幹番号6桁・枝番号3桁の14桁で構成される
- 番号は年度更新の申告書・納付書の控えで確認でき、見つからなければ労働局や労働基準監督署に問い合わせる
- 現場労災は元請が加入するため、書類で求められる番号が現場のものか自社のものかを先に確認する
- 施工体制台帳や入札参加資格の申請では、様式や申請要領で番号が必要かを確認し、控えの保管場所を整えておく
より理解を深めていただくために、こちらの解説動画も併せてご確認ください。
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