公共工事の足場単価の算出方法とは?積算基準と見積もりのポイント

監修情報

水嶋 拓

フロンティアマーケティング株式会社代表取締役。2009年から公共工事コンサルタントとして活動し、450社以上の中小建設会社の経営を支援。2017年に同社を設立し、現在は公共工事研究会も主宰している。著書に『日本一ハードルの低い公共工事の始め方』。

足場工事は、建築工事の積算で必ず登場する仮設工事の一つです。公共工事の見積もりでは、足場の種類や数量の算定方法、単価の根拠を理解していないと、内訳書の金額を説明できず困ることがあります。

本記事では、公共工事の足場単価の算出方法を、数量の算定単位と積算基準の歩掛りの仕組みを軸に解説します。

公共工事入札について、一般的な情報だけでは見えない視点があります。この動画で実務的なポイントを先に理解することで、記事の内容がより腹落ちしやすくなります。動画を見てから記事を読み進めることをおすすめします。

この記事で分かること
  • 足場の数量は掛面積などの単位で算定されること
  • 足場の種類ごとに標準施工歩掛りが定められていること
  • 仮設資材は賃料方式で算定されること
  • 足場の高さや規模によって単価が変わること
目次

公共工事の足場単価はどのように算出されるのか

掛面積と単価の掛け算

公共工事の足場工事は、数量に標準単価を掛けて費用を算定します。数量の単位は、足場の種類によって「掛面積1㎡当たり」「建築面積1㎡当たり」「床面積1㎡当たり」と異なります。掛面積とは、足場を組み立てる壁面の面積を指します。

足場の種類 数量の算定単位
地足場 建築面積1㎡当たり
枠組本足場・単管本足場・単管一本足場・単管抱足場 掛面積1㎡当たり
内部躯体足場 床面積1㎡当たり
安全手すり・登り桟橋 掛長さ1m当たり

積算基準と歩掛りの関係

足場の単価や歩掛りは、公共建築工事標準単価積算基準に定められています。標準施工歩掛りには、材料・労務・機械の所要量が示されており、これに単価を掛けて費用が算出されます。

積算基準は国土交通省のページで公表されており、年度ごとに改定されています。見積もりでは、自社が使っている単価が最新の基準に基づいているかを確認することが大切です。

足場の種類と標準歩掛りの仕組み

足場の種類

公共工事の積算で使われる足場には、次のような種類があります。工事の規模や現場の条件に合わせて、積算上どの足場を計上するかが決まります。

  • 地足場(低い高さでの作業用)
  • 枠組本足場(一般的な本足場として広く使われる)
  • 単管本足場(パイプを組み立てる本足場)
  • 単管一本足場・単管抱足場(狭い場所などに用いる足場)
  • 内部躯体足場(建物内部の躯体工事用)

歩掛りの構成

歩掛り表では、材料(丸パイプ、足場板、クランプなど)、労務(とび工)、諸経費の所要量が、足場の高さや枠のサイズで区分されて示されています。例えば枠組本足場は、足場高さ12m未満、22m未満、22m以上で区分されます。

同じ足場でも、高さが高くなるほど安全対策の部材が増え、歩掛りが変わります。単価の比較や見積もりでは、この区分が前提になっていることを押さえておく必要があります。

仮設資材は賃料方式で算定される

足場の仮設資材は、賃貸されることが一般的です。積算では、仮設資材賃料(基本料+日額賃料×設計供用日数)として算定されます。

標準単価積算基準では、足場の種類ごとに標準設計供用日数が定められています。地足場は30日、内部躯体足場は20日(平家建ての場合は30日)とされています。実際の工事期間に応じて供用日数を見直し、賃料を算定することが基本です。

  • 足場の種類と枠のサイズ
  • 足場の高さ
  • 設計供用日数(工事期間)
  • 現場条件(狭小地や複雑な形状など)

これらの要素が変わると足場の費用も変わるため、見積もりでは現場条件を具体的に確認してから単価を組み立てることがポイントです。

見積もりで押さえるべきポイント

足場単価の見積もりでは、自社が施工する足場の種類と数量が、積算基準の区分と合っているかを確認することが重要です。数量の算定単位が違うと、単価を比較するときの前提がずれてしまうためです。

  • 足場の種類と数量単位が基準と一致しているか
  • 足場高さの区分が設計図書と合っているか
  • 供用日数が工期と整合しているか

単価の数字の読み方については、次のような考え方もあります。

その積算の数字を読んでいく作業、工事内容を理解していい値段で落札しようと思って積算の精度を上げる、という思考自体が無駄だと私は思います。

この視点の趣旨は、単価の細部にこだわることより、案件選定と入札の進め方に注力すべきだというものです。足場単価のような積算の仕組みを理解したうえで、自社の戦い方を設計することが受注につながります。

公共工事は大手や実績のある会社のもの、と受け止められることがあります。ただ、入札参加の要件は制度として明確に定められており、要件を満たせば会社の規模にかかわらず参加できる仕組みです。

よくある質問

足場の単価はどこで確認できますか?

公共建築工事標準単価積算基準などの積算基準で確認できます。基準は国土交通省のページで公表されており、年度ごとに改定されています。

民間工事の足場単価と同じでよいですか?

公共工事の積算では、発注者の積算基準に基づくことが基本です。基準の歩掛りと単価を確認したうえで、現場条件に応じて調整することが必要です。

足場の数量はどうやって算出しますか?

外部足場は、建物の外周に足場の高さを掛けた掛面積で算定するのが一般的です。基準の数量積算基準に従って算出します。

足場の単価が高いと落札に不利になりますか?

足場単価は内訳書の一部であり、それだけで落札が決まるわけではありません。全体の工事費と自社の施工体制を踏まえて入札価格を組み立てることが重要です。

まとめ

公共工事の足場単価は、掛面積などの数量に標準単価を掛けて算出します。数量の単位や歩掛りは積算基準で定められており、足場の種類・高さ・供用日数によって費用が変わります。

見積もりでは、足場の種類と数量単位が基準の区分と合っているかを確認し、現場条件を反映した単価を組み立てることがポイントです。

この記事のまとめ
  • 足場の数量は掛面積・建築面積・床面積などの単位で算定する
  • 足場の種類ごとに標準施工歩掛りが積算基準で定められている
  • 仮設資材は基本料と日額賃料×設計供用日数で算定する
  • 足場の種類・高さ・供用日数が基準の区分と合っているか確認する

より理解を深めていただくために、こちらの解説動画も併せてご確認ください。

あわせて読みたい

コメント

目次