建設業許可票とは?掲示義務とサイズ・記載事項のルールをまとめ

建設業許可票とは?掲示義務とサイズ・記載事項のルールをまとめ
監修情報

水嶋 拓

フロンティアマーケティング株式会社代表取締役。2009年から公共工事コンサルタントとして活動し、450社以上の中小建設会社の経営を支援。2017年に同社を設立し、現在は公共工事研究会も主宰している。著書に『日本一ハードルの低い公共工事の始め方』。

建設業許可票は、建設業の許可を受けた建設業者が、店舗と建設工事の現場に掲げなければならない標識です。建設業法第40条が掲示を求め、記載事項と様式は同法施行規則第25条に定められています。

この記事では、許可票の掲示義務、店舗用と現場用のサイズ・記載事項、掲げる場所、掲げない場合の扱いを、2026年10月執筆時点の法令と国土交通省の資料をもとに整理します。あわせて、公共工事との関わりにも触れます。

公共工事入札について、一般的な情報だけでは見えない視点があります。この動画で実務的なポイントを先に理解することで、記事の内容がより腹落ちしやすくなります。動画を見てから記事を読み進めることをおすすめします。

この記事で分かること
  • 許可票は建設業法第40条が定める標識で、店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場ごとに掲げる義務がある
  • サイズは店舗用が縦35cm以上×横40cm以上、現場用が縦25cm以上×横35cm以上で、現場用には技術者の氏名などの記載欄が加わる
  • 標識を掲げない者は10万円以下の過料の対象で、許可がないのに許可業者と誤認される表示も禁止されている
  • 一定の要件を満たせば、デジタルサイネージでの掲示も認められる
目次

建設業許可票とは?掲示が義務づけられている根拠

許可票は、許可を受けた建設業者であることを対外的に示すための標識です。法令上の名称は「標識」で、掲げる場所や様式まで法令で決まっています。

許可票は建設業法第40条が定める標識

建設業法第40条は、建設業者に対し、店舗と建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げるよう求めています。現場については、発注者から直接請け負った工事に限られます。

国土交通省の通知(令和4年1月27日付、国不建第446号)は、標識の掲示の目的を、建設工事の施工が許可を受けた業者によってなされていること、安全施工や災害防止等の責任主体を対外的に明らかにすることと説明しています。

許可票は許可通知書とは別のもの

許可を受けると、行政庁から許可通知書が交付されます。許可票は、建設業者が店舗や現場に掲げる標識で、許可通知書とは別の位置づけです。

許可通知書そのものの見方や再発行については、別の記事で扱っています。この記事では、掲示する標識としての許可票に絞って整理します。

店舗と現場で掲示の条件が異なる

標識は、店舗に掲げるものと、建設工事の現場に掲げるもので、様式と掲示の条件が分かれています。

項目店舗建設工事の現場
掲げる場所店舗の公衆の見やすい場所工事現場ごとの公衆の見やすい場所
掲げる対象許可を受けた建設業者発注者から直接請け負った工事の現場
様式別記様式第28号別記様式第29号
根拠建設業法第40条、施行規則第25条建設業法第40条、施行規則第25条

許可票に記載する事項とサイズは?

許可票の記載事項は、施行規則第25条第1項が定めています。店舗用は4項目、現場用はそれに技術者の氏名を加えた5項目です。

店舗用と現場用の記載事項を比べる

共通する項目は、一般建設業か特定建設業かの別、許可年月日、許可番号、許可を受けた建設業、商号または名称、代表者の氏名です。現場用では、これに主任技術者または監理技術者の氏名が加わります。

記載事項店舗用現場用
一般建設業または特定建設業の別記載する記載する
許可年月日、許可番号、許可を受けた建設業記載する記載する
商号または名称記載する記載する
代表者の氏名記載する記載する
主任技術者または監理技術者の氏名記載しない記載する

サイズは店舗用が縦35cm以上×横40cm以上

国土交通省の資料に載る様式第28号では、店舗用の標識は縦35cm以上、横40cm以上とされています。この寸法は最低限の大きさを示す数値で、これより小さい標識では様式を満たしません。

サイズは現場用が縦25cm以上×横35cm以上

様式第29号の現場用は、縦25cm以上、横35cm以上です。A4用紙は21cm×29.7cmのため、そのままでは現場用の最低寸法に足りません。

現場用は様式第29号の記載要領に沿って記入する

現場用の様式第29号には、技術者に関する欄があります。国土交通省の資料に載る記載要領では、欄ごとに次のように記入します。

  • 監理技術者を配置する場合は、「主任技術者の氏名」を「監理技術者の氏名」とし、その氏名を記載する
  • 「専任の有無」は、専任を要する場合に「専任」と記載し、監理技術者を補佐する者を配置する場合は「非専任(監理技術者を補佐する者を配置)」と記載する
  • 「資格者証交付番号」は、専任を要する監理技術者を置く場合に、その監理技術者の資格者証の交付番号を記載する
  • 「許可を受けた建設業」は、その現場で行っている工事に係る許可業種を記載する

国土交通大臣許可か都道府県知事許可かは、様式の「国土交通大臣・知事」のうち不要なほうを消して示します。様式は更新されることがあるため、掲示の際は国土交通省や都道府県の最新の様式を確認してください。

材質や色の定めはなく、読み取れる状態で掲げる

岡山県のページでは、許可票の材質や色の規定はなく、降雨などで判読できなくならないように作成すれば足りると案内されています。金属の看板に限らず、様式の記載事項とサイズを満たし、公衆が読み取れる状態であることが前提です。

許可票はどこに掲げるのか?

許可票は、店舗と工事現場のそれぞれで、第三者が見やすい場所に掲げます。現場の掲示は元請のみが対象で、一定の要件を満たせば電子的な掲示も認められています。

店舗と現場のそれぞれの公衆の見やすい場所に掲げる

法第40条は、掲示の場所を「公衆の見やすい場所」と定めています。岡山県のページでは、事務所の中だけでなく、道路など第三者から記載内容を容易に確認できる場所であることが必要と案内されています。

現場に掲げるのは発注者から直接請け負った建設業者

法第40条は、現場の標識を「建設工事(発注者から直接請け負つたものに限る。)」の現場ごとに掲げるよう定めています。国土交通省の資料でも、現場に標識を掲げるのは元請業者のみとされています。

以前の解説には、下請業者にも現場での掲示を求める記述が見られますが、現行の法第40条は直接請け負った工事に限っています。下請として入る現場では、許可票の掲示そのものは求められません。

デジタルサイネージでの掲示は要件を満たせば認められる

国土交通省の通知(令和4年1月27日付、国不建第446号)は、書面ではなくデジタルサイネージなどのICT機器で標識を掲示する場合も、次の3つの要件を満たせば掲示義務を果たすものと考えて差し支えないとしています。

  • 公衆が必要なときに標識を確認できること
  • 標識を確認できる旨の表示が、常にわかりやすい形でなされていること
  • 施工時間外も、人感センサーや画面に触れることなどで表示できること

住宅地などで時間外の消灯が必要な場合は、周囲にインターネット上で閲覧できる旨を掲示することを条件に、時間外はインターネット上での閲覧に代えられます。標識の様式は、電子的に掲示する場合も別記様式第28号と第29号によります。

工事現場には許可票のほかにも掲示する標識がある

現場には、許可票以外にも法令で掲示が求められる標識があります。栃木県の資料(令和6年4月)は、工事現場に掲げる標識類のうち必須のものとして、次のようなものを挙げています。

標識掲示場所根拠
建設業の許可票工事現場の公衆の見やすい場所建設業法第40条、施行規則第25条
労災保険関係成立票事業場の見やすい場所労働者災害補償保険法施行規則第49条、労働保険徴収法施行規則第77条
施工体系図民間工事は工事現場の見やすい場所、公共工事は工事関係者と公衆の見やすい場所建設業法第24条の8第4項、入札契約適正化法第15条第1項

このほかにも、現場の状況によって掲示が必要な標識があります。掲示の際は、各標識の最新の様式を確認してください。

許可票を掲げない場合や、誤認される表示はどうなるのか?

標識の掲示義務に違反した場合と、許可を受けていないのに許可業者と誤認される表示をした場合は、どちらも建設業法で過料の対象とされています。

標識を掲げない者は10万円以下の過料の対象

建設業法第55条は、第40条の規定による標識を掲げない者を、10万円以下の過料に処すると定めています。過料は刑罰ではなく行政上の秩序罰ですが、掲示義務は罰則つきの義務であることを押さえておく必要があります。

許可がないのに許可業者と誤認される表示は禁止

法第40条の2は、建設業を営む者が、許可を受けていないのに、許可を受けた建設業者であると明らかに誤認されるおそれのある表示をすることを禁じています。この規定に違反した者も、同じく10万円以下の過料の対象です(法第55条第4号)。

許可が不要な軽微な工事だけを請け負う会社が、許可票に似た表示を掲げると、この規定に触れるおそれがあります。

記載事項に変更があれば標識も合わせる

標識の記載事項は、実際の許可の内容と一致している必要があります。次のような変更があったときは、標識の記載も改めます。

  • 商号または名称を変更したとき
  • 代表者が変わったとき
  • 許可を受けた建設業が追加または変更されたとき
  • 現場の主任技術者や監理技術者が交代したとき

許可番号や許可年月日の扱いは、更新や新規取得など変更の内容によって異なります。行政庁の案内で確認してください。

許可票の掲示は公共工事の現場運営にどうつながるのか?

公共工事を発注者から直接請け負えば、その現場に許可票を掲げる立場になります。許可票の掲示は、許可を受けた建設業者として現場を運営するうえでの基本的な義務のひとつです。

  • 店舗には、許可を受けた建設業者として様式第28号の標識を掲げる
  • 発注者から直接請け負った現場には、様式第29号の標識を掲げ、技術者の氏名などを記載する
  • 公共工事の現場では、許可票のほかに施工体系図などの掲示も必要になる

公共工事は大手や実績のある会社のもの、と受け止められることがあります。ただ、入札参加の要件は制度として明確に定められており、要件を満たせば会社の規模にかかわらず参加できる仕組みです。

公共工事への参入に向けた全体像は、下記で詳しく確認できます。

よくある質問

許可票は、行政庁から交付してもらえるのか?

岡山県のページでは、許可票は県が交付するものではなく、業者の斡旋も行わないと案内されています。建設業者が、様式第28号と第29号に沿って、自社で用意して掲げます。

許可が不要な軽微な工事だけを請け負う会社も、許可票を掲げるのか?

標識の掲示義務を負うのは、許可を受けた建設業者です(建設業法第40条)。許可を受けていない会社が、許可を受けた業者と誤認されるおそれのある表示をすることは、第40条の2で禁じられています。

元請として現場が複数ある場合は、現場ごとに掲げるのか?

法第40条は、発注者から直接請け負った建設工事の「現場ごとに」標識を掲げるよう定めています。現場ごとに、その現場に配置する主任技術者または監理技術者の氏名などを記載した標識が必要になります。

国土交通大臣許可と知事許可で、許可票の様式は変わるのか?

様式は同じで、記載する許可番号の欄にある「国土交通大臣・知事」のうち、不要なほうを消して示します。許可の種類によって別の様式が用意されているわけではありません。

まとめ

建設業許可票は、建設業法第40条に基づき、許可を受けた建設業者が店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場に掲げる標識です。サイズは店舗用が縦35cm以上×横40cm以上、現場用が縦25cm以上×横35cm以上で、現場用には主任技術者や監理技術者の氏名などの欄があります。

標識を掲げない者は10万円以下の過料の対象で、許可がないのに許可業者と誤認される表示も禁止されています。デジタルサイネージでの掲示も、要件を満たせば認められています。

本記事の内容は2026年10月執筆時点の情報のため、掲示の際は、国土交通省や都道府県の最新の様式を確認してください。

この記事のまとめ
  • 許可票は店舗と、発注者から直接請け負った工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所へ掲げる
  • 店舗用は様式第28号、現場用は様式第29号で、現場用には技術者の氏名などを記載する
  • 掲げない場合は10万円以下の過料、許可がないのに誤認される表示も禁止されている
  • 元請として現場を持つ前に、様式と記載事項、現場に必要なほかの標識を確認しておく

より理解を深めていただくために、こちらの解説動画も併せてご確認ください。

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