経営事項審査の必要書類一覧!経審の手続きと申請の流れを徹底解説


経営事項審査は、書類をそろえて1か所に出せば完了する手続きではありません。提出先が2つに分かれており、その前段として建設業許可の届出も済ませておく必要があります。申請の時期を誤ると有効期間が空くなど、受注機会に影響することもあります。
この記事では、経営事項審査の申請がどのような順序で進むのか、それぞれの段階で何を用意するのかを整理します。点数の中身ではなく、手続きを終えるために必要な情報に絞って確認していきます。書類の区分を押さえれば、準備の漏れを防ぐことができます。
公共工事入札について、一般的な情報だけでは見えない視点があります。この動画で実務的なポイントを先に理解することで、記事の内容がより腹落ちしやすくなります。動画を見てから記事を読み進めることをおすすめします。
- 決算変更届から結果通知書の受領までの3つの段階と提出先
- 経営状況分析の申請でそろえる書類と、分析機関の選び方
- 経営規模等評価の申請でそろえる申請書類・添付書類・確認書類の区分
- 手数料の金額と、有効期間から逆算したスケジュールの組み方
経営事項審査の申請はどのような流れで進むのか?
手続きは大きく3つの段階に分かれます。順序を間違えると先に進めないため、全体像から確認します。
決算変更届から結果通知書までの流れ
起点になるのは決算日です。決算日は経営事項審査の審査基準日にあたり、この日の状態が審査の対象になります。
決算が確定したら、まず建設業許可に関する決算変更届を提出します。この届出が済んでいないと経営事項審査の申請に進めない取り扱いになっているため、最初に押さえるべき手順です。
- 決算日を迎える(この日が審査基準日になる)
- 許可行政庁へ決算変更届を提出する
- 登録経営状況分析機関へ経営状況分析を申請し、結果通知書を受け取る
- 許可行政庁へ経営規模等評価の申請と総合評定値の請求を行う
- 経営規模等評価結果通知書・総合評定値通知書を受け取る
申請先は許可の区分によって決まる
経営規模等評価の申請と総合評定値の請求は、許可行政庁に対して行います。国土交通大臣許可の業者は主たる営業所の所在地を管轄する地方整備局等へ直接、都道府県知事許可の業者は許可を受けている都道府県知事へ提出します。
複数の都道府県で入札に参加する場合でも、経営規模等評価の申請先は許可行政庁の1か所で足ります。発注機関ごとに経営事項審査を受け直す必要はありません。
経営状況分析の申請には何が必要か?
経営状況分析は、許可行政庁ではなく国土交通大臣の登録を受けた民間の機関に申請します。段取りが独立している点に注意が必要です。
申請書と財務諸表が中心になる
経営状況分析の申請では、経営状況分析申請書に加えて、建設業許可を確認する書類、財務諸表、減価償却実施額を確認できる書類などを提出します。財務諸表は建設業法で定められた様式で作成したものが必要です。
- 経営状況分析申請書
- 建設業許可を確認できる書類
- 建設業法で定められた様式の財務諸表
- 減価償却実施額を確認できる書類
提出する書類の細部は機関ごとに案内が異なるため、申請する機関の様式集と手引きを確認してから準備を始めると間違いがありません。
分析機関は複数から選べる
登録経営状況分析機関は国土交通省が一覧を公表しており、令和7年1月時点では10の機関が登録されています。どの機関に申請するかは建設業者が選べます。
評点の算出方法はどの機関でも共通の基準によるため、結果の点数が機関によって変わることはありません。比較する際は、分析手数料、結果通知までの日数、電子申請への対応といった手続き面が判断材料になります。
分析手数料は機関ごとに設定されており、電子申請と郵送申請で金額が分かれている場合もあります。料金が改定されることもあるため、申請前に各機関の最新の案内を確認してください。
経営規模等評価の申請には何が必要か?
許可行政庁へ提出する書類は点数が多く、性格の異なる3つの区分に分かれています。区分ごとに整理して準備すると漏れが減ります。
申請書類・添付書類・確認書類という3つの区分
申請書類は経営規模等評価申請書とその別紙、添付書類は工事経歴書や財務諸表、確認書類は申請内容を裏付ける証明書類にあたります。
| 区分 | 主な書類 |
|---|---|
| 申請書類 | 経営規模等評価申請書・総合評定値請求書、工事種類別完成工事高および元請完成工事高の別紙、技術職員名簿、その他の審査項目(社会性等)の別紙、手数料に関する書類 |
| 添付書類 | 工事経歴書、計算書類(財務諸表)、経営状況分析結果通知書 |
| 確認書類 | 建設業許可通知書、前期の申請書の写し、法人税や消費税の確定申告書の控え、工事請負契約書または注文書と請書、技術職員の資格に関する書類など |
経営状況分析結果通知書は、総合評定値を請求する場合に必要になる書類です。この通知書を先に取得しておかなければ請求ができないため、経営状況分析を先行させる理由がここにあります。
申請書類には、技術職員名簿のほかに技能者名簿やCPD単位を取得した技術者名簿といった別様式が加わることがあります。該当する加点項目を申告する場合に必要となる書類であり、名簿の記載内容と確認書類が一致していることが前提になります。
加点項目ごとに証明書類が必要になる
その他の審査項目で加点を受ける場合、項目ごとに証明書類が求められます。加入しているだけでは加点されず、審査基準日時点の状態を示す書類が必要です。
- 建設業退職金共済事業の加入・履行証明書
- 退職一時金制度または企業年金制度の導入を確認できる書類
- 法定外労働災害補償制度への加入を確認できる書類
- 防災協定の締結を証明する資料、規格の認証を証明する書類
- 建設技能者を大切にする企業の自主宣言制度の宣言書および誓約書
工事の実績を裏付ける書類も求められる
完成工事高は申請の中心になる数値であるため、その裏付けとなる書類が求められます。工事経歴書に記載した工事について、請負契約書または注文書と請書の写しを提出する取り扱いが一般的です。
提出する件数は許可行政庁によって定められており、建設業の種類ごとに工事経歴書の記載順で数件という形で指定されることがあります。元請か下請か、金額の大小にかかわらず記載順で選ぶ運用になっている例もあるため、要領の確認が欠かせません。
あわせて、法人税の確定申告書の控えや消費税の確定申告書の控えなど、財務諸表の内容を裏付ける書類も必要になります。税務関係の書類は顧問税理士の手元にあることが多いため、早い段階で依頼しておくと準備が滞りません。
令和8年7月1日以降は社会保険の加入状況を確認する書類が不要になった
令和8年7月1日施行の改正により、社会保険の加入状況に関する審査項目が削除されました。これに伴い、労働保険の申告書の控えや健康保険・厚生年金保険の領収証書の写しといった確認書類の提出も不要になっています。ただし、健康保険・厚生年金保険の書類は、技術職員の常勤性を確認する資料として引き続き必要です。
一方で、自主宣言制度の宣言書の写しと誓約書が新たに確認書類に加わりました。前期と同じ書類をそろえればよいとは限らないため、申請年度の必要書類一覧で確認する必要があります。
手続きを進めるうえで気をつけるべき点は何か?
書類がそろっていても、時期や費用の見込みを誤ると手続きが滞ります。実務で押さえておきたい点を整理します。
有効期間から逆算してスケジュールを組む
経営事項審査の有効期間は、審査基準日から1年7か月間です。結果通知書を受け取った日からではない点に注意が必要です。
関東地方整備局は、毎年決算終了後4か月以内を目安に申請し、有効期間が切れ目なく続くようにすることを案内しています。3月決算であれば7月末までが目安ということになります。
手数料の金額を把握しておく
許可行政庁へ支払う手数料は、経営規模等評価申請が8,100円に審査対象業種1種類につき2,300円を加えた額、総合評定値請求が400円に審査対象業種1種類につき200円を加えた額とされています。
| 手続き | 基本額 | 審査対象業種1種類につき加算 |
|---|---|---|
| 経営規模等評価申請 | 8,100円 | 2,300円 |
| 総合評定値請求 | 400円 | 200円 |
| 両方を同時に行う場合 | 8,500円 | 2,500円 |
これとは別に、経営状況分析機関へ支払う分析手数料が必要です。審査対象とする業種を増やすほど手数料も増えるため、必要な業種を絞り込んでから申請することになります。
判断に迷う項目は窓口に確認する
完成工事高の計上区分や技術職員の要件など、自社だけでは判断がつかない項目は必ず出てきます。判断を誤ったまま申請すると、補正のやり取りで日数を要することになります。

県の経審担当に聞いたら必ず教えてくれます。税金を払っているのですから。大臣免許の場合は国交省に担当がいます。この担当は税金でその業務をやっているので、確認すべきです。
許可行政庁は記載要領や必要書類一覧を公表しており、窓口での問い合わせにも対応しています。年度によって取り扱いが変わる項目もあるため、迷った時点で確認しておくほうが結果的に早く進みます。



追加書類が必要だということで更新が遅れることによって、工事完了時の検査の際に経審(経営事項審査)の結果通知書を提出してほしいと発注者から言われた際に出せなかった、というお話だと思います。ただ、それについては発注者から許容をいただける可能性もあります
審査の途中で追加書類を求められると、その分だけ結果通知書の受領が遅れます。工事の検査や入札参加資格の更新と重なると影響が広がるため、余裕を持った申請時期の設定が有効です。
手続きを終えることが公共工事参入にどうつながるか
ここまで見てきたとおり、経営事項審査は決算変更届、経営状況分析、経営規模等評価という3つの段階を順に進める手続きです。書類の量は多いものの、区分ごとに整理すれば道筋ははっきりしています。
手続きを自社で進めると、どの数値がどの評価につながっているのかが把握できます。この理解は、翌期以降に点数を設計するための土台になります。
- 手続きは決算変更届・経営状況分析・経営規模等評価の3段階で進む
- 書類の様式も必要書類一覧も公表されており、内容は誰でも確認できる
- 自社で進めると、どの数値がどの評価につながるかを把握できる
- 結果通知書を受け取れば、入札参加資格審査へ進む段階になる



皆さん、すべてを行政書士に委託してしまうのです。そうすると、こうしたシミュレーションも自社ではできなくなってしまいます。
公共工事の手続きは煩雑で自社では対応できない、と受け止められることがあります。ただ、必要書類も申請の流れも制度として公開されており、要件を満たせば会社の規模にかかわらず同じ手順で進められる仕組みです。
よくある質問
- 決算変更届を出していない年度がある場合はどうなりますか?
-
経営事項審査の申請の前提として決算変更届の提出が求められるため、未提出の年度がある場合は先に届出を済ませる必要があります。数年分がたまっている場合は準備に時間がかかるため、申請予定から逆算して早めに着手してください。
- 審査対象とする業種はどのように決めればよいですか?
-
審査対象は、許可を受けている建設業のうち経営事項審査を受ける旨を申し出た業種になります。業種を増やすと手数料も増えるため、入札参加を予定している発注機関でどの業種の登録が必要かを確認したうえで決めるのが現実的です。
- 結果通知書が届くまでどのくらいかかりますか?
-
標準的な処理期間は許可行政庁ごとに定められており、申請の混み具合や補正の有無によっても変わります。経営状況分析についても機関ごとに日数の目安が案内されています。申請前にそれぞれの目安を確認し、余裕を持った日程で進めてください。
- 申請書類はどこで入手できますか?
-
経営規模等評価申請書などの様式は国土交通省のサイトで公開されているほか、許可行政庁が記載要領や必要書類一覧とあわせて配布しています。年度ごとに様式が改められることがあるため、申請する年度に対応したものを使用してください。
まとめ
経営事項審査の手続きは、決算変更届の提出、登録経営状況分析機関への経営状況分析の申請、許可行政庁への経営規模等評価の申請と総合評定値の請求という3つの段階で進みます。順序が決まっているため、決算後の動き出しが遅れるとその分だけ全体が後ろにずれます。
提出する書類は、申請書類・添付書類・確認書類という3つの区分で整理できます。加点項目については審査基準日時点の状態を示す証明書類が必要になるため、決算前からの確認が有効です。
手数料は経営規模等評価申請と総合評定値請求を合わせて8,500円に業種数分を加えた額で、これとは別に分析手数料がかかります。有効期間は審査基準日から1年7か月であり、決算終了後4か月以内を目安に申請することが案内されています。
- 決算変更届を先に提出しなければ経営事項審査の申請に進めない
- 経営状況分析は登録機関、経営規模等評価は許可行政庁と提出先が分かれる
- 書類は申請書類・添付書類・確認書類の3区分で整理すると漏れが減る
- 有効期間は審査基準日から1年7か月、決算終了後4か月以内の申請が目安になる
より理解を深めていただくために、こちらの解説動画も併せてご確認ください。
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